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靴型装具の製作例 〜やけどの後遺症〜

2020.11.19

#フットケア #創傷 #靴型装具

 

今回は、ご本人様よりブログ掲載の許可を頂きましたのでご紹介させて頂きます。

この女性の患者様は、乳幼児期に両足の熱傷を負い、その後遺症に長く苦しまれていました。踵の皮膚は薄く、皮膚の下にはすぐに突出した骨があり、歩行時の圧力に耐えられる状態ではありませんでした。歩く時は踵に体重をかない状態、いわゆる爪先歩きの歩行をしていました。

これまでも他院で装具を製作された経験がありそれを装着していらっしゃいましたが、免荷(患部の体重を逃すこと)が十分に行えておらず、踵には潰瘍ができていました。

PTB短下肢装具も視野に入れて主治医の先生とご本人様と相談しましたが、両足装具が必要であること、日常生活で使用すること、仕事中も使用することなどを考慮し、靴型装具でやってみようという結論に至りました。

そこで今回の装具は、患部を完全に免荷させることを目的として靴型装具は長靴にし、日常でも使いやすいデザインを取り入れるように心がけて製作を行いました。

 

写真上:患者様の足(踵の中心の皮膚が薄く弱い)

 

写真:仮合わせの様子

靴の中の観察がよくできるように半透明のプラスチックでチェックシューズを製作します。写真では分かりにくいが、インソールで踵の患部を浮かせるように工夫しています。安定した片脚立位が可能であり、問題なく歩行ができたので仕上げに移りました。

仕上げはブラックのレースアップブーツとし、脱着を容易にするために内側にファスナーを施しました。インソールには徐圧材料のプラスタゾーテ®︎を採用しました。この材料は足の形状に沿うように変形するという特性があります。また手入れもしやすく清潔に保つことが可能です。